癒しのために温泉を飲む習慣は、温泉好きで知られた古代ローマでも行われていました。
日本では、温泉につかって身体を癒す「湯治」という文化があります。この湯治では、温泉を飲む「飲泉」も、また大切な治療のひとつでした。古くは、『日本書紀』にも、温泉を飲ませることで多くの病を癒したという記述があるほどです。
湯治では、温泉につかると同時に、合わせて温泉を飲むことで、健康効果が高まるという考え方がありました。明治時代には全国で温泉街が発展し、湯治場と飲泉は、日本人独特の保養として定着していきました。
実際に温泉には、健康に欠かせない様々な成分が含まれています。日本だけでなく、ヨーロッパなど世界中の温泉地では、今でも健康のために飲泉が行われています。
どんな温泉でも飲泉に適しているわけではありません。衛生面や成分によって安心だと確認された温泉だけが、飲用可能です。
湯のまち別府では、管理された飲用可能な温泉が幾つもあります。それぞれが、地元の人々にも観光で訪れた方にも、大切に飲まれています。